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奈良町に 身代わり猿

12.05.24

格子戸の町家が並ぶ、気取らない素朴な町 奈良町。
そこに建つ町家の軒下には、赤色のお猿さんがぶら下がっています。

これが「身代わり猿」。
「庚申信仰」という中国で誕生した信仰で
シルクロードを通って奈良に来たのではないかと言われています。

60日に1度の庚申の日に
体の中の悪玉「さんしのむし」が、
寝ているときに爪の先から抜け出して、
天を支配する玉皇大帝にその人の悪い行いなどを
告げ口すると言われていました。
その報告により人の寿命は決められるとされていて、
人々は皆で世間話をしたり、
落語や芝居などを楽しんだりして一晩寝ないで過ごしたのだとか・・・

「身代わり猿」は玉皇大帝に悪事が耳に入った時に
自分の代わりに玉皇大帝の怒りをおさえてくれるというお守りなのです。

今も奈良町を歩くと、「身代わり猿」を吊るしておくという
風習が残っているのを感じていただけると思います。

写真 : 奈良町界隈の軒下にある「身代わり猿」