【創造的休暇】自然と生きる。自然に生きる。
21.09.30

奈良には、自然が溢れています。
「紀寺の家」からゆっくりとそれを目指すに連れ、
町の風景から樹々の風景へと変化し、
徐々に人の気配は消えてゆきます。
中には1000年以上、地に根を張り続ける木のある森もあり、
そこに身を置けば、人類の無力ささえ感じます。
また、霧や靄をまとった自然の姿は、生命力にみなぎり、野生を感じさせます。
真の自然とは、ただ優しく、美しいだけではありません。
時に狂気も孕みながら、
神聖なる領域を維持しているのだと思います。
大地があり、
種が落ち、
芽生え、
雨によって水を蓄え、
植物は育ち、
やがて森や林、
山を作る。
環境が備われば、生き物も暮らし、そこには生態系が創造されます。
ただただ、圧倒されつつ、
私たちはこの場所から生まれた恵みをいただいているのだと気付きます。
「紀寺の家」では田んぼを借り、苗から育てたお米でごはんを炊いています。
苗は、山々から湧き出る水によって育ちます。
私たちは、それを体内に取り入れます。
自然に生かされているのです。
日々の忙しさに感け、そんな当たり前を忘れてしまいがちですが、
決して、当たり前は当たり前ではありません。
自然と生きるとは何か。
自然に生きるとは何か。
技術やテクノロジーが進化し続けるからこそ、
考えなければいけないことだと思います。
人類の本当の進化は、いつの時代も創造力から生まれていると信じているからです。
写真:春日山原生林
撮影:okuyama haruhi