【創造的休暇】灯の数だけ、暮らしがある
21.10.21

奈良町には、
古い民家が建ち並ぶ風景が今なお残っています。
旧市街地ゆえ、
夜になると暗さが際立ちますが、
それによって存在感を増すのが灯です。
路地に建ち並ぶ民家からこぼれ落ちる灯は、
古き良き奈良町の風景だと思っています。
灯の数だけ暮らしがある。
灯の数だけ家庭がある。
灯の数だけおいしいごはんがある。
灯は創造力を掻き立てます。
風景は、心の奥にあった記憶を手繰り寄せてくれます。
ある日、そんなことに想いを馳せながら散歩をしてみると、
突如現れる異質な空間も愛おしく感じました。
さらに歩を進めると、
足元に百日紅。
目の上に咲く花の美しさもあれば、
散る美しさもある。
視点を変えれば、
いつもの風景が全く違うものに映るかもしれません。
写真:鳴川町
撮影:okuyama haruhi